21世紀日本教会のための福音書10章より(水谷潔)

29. 自分は神と隣人を愛していると自負するクリスチャンがいた。彼は、自分が正しいことを示そうとしてイエスに言った。「私の隣人とはだれですか。」そして、彼は心の中でつぶやいた。「まさか、あの人たちは含まれないでしょうね」
30.イエスは彼の心の声を知って、答えられた。「ある青年が、自宅から、所属教会に向かっていたが、その途中で、暗い顔になり、路上にしゃがみこんでしまった。彼はLGBT⁺で、先週、牧師と青年会の親友にカミングアウトした際に、拒否的応答を受けて、もう、教会に行けないと思って、悩んでいた。
31. たまたま、その教会の牧師が、その道を下って来たが、彼を見ると反対側を通り過ぎて行った。
32.同じようにカミングアウトを受けた親友も、その場所に来て彼を見ると、反対側を通り過ぎて行った。
33.ところが、旅をしていた一人の某新興宗教の信者は、その人のところに来ると、見てかわいそうに思った。
34. そして近寄って、彼の話に耳を傾け、心の傷にオリーブ油とぶどう酒を注いで、傷ついた心に包帯をし、自分が信じる宗教の施設に連れて行って介抱した。
35. 彼は一万円札二枚を取り出し、宗教指導者に渡して言った。『話を聞いてあげてください。もっと相談費用がかかったら、私が帰りに払います。』
36. この三人の中でだれが、教会に行けずに苦しんでいる人の隣人になったと思いますか。」
37. 彼は言った。「新興宗教の・・・いや、その人にあわれみ深い行いをした人です。」するとイエスは言われた。「あなたも行って、同じようにしなさい。」

イエスは言われた。「あなたも行って、同じようにしなさい」と。
私たちはどうだろうか?
行って同じようにしないにしても
来ていただいた時に、正反対のことをしないだろうか?
共に歩んできたのに、一転、真逆のことをしないだろうか?
道の反対側を通り過ぎないだろうか?

性的マイノリティーについての見解は多様だろう
しかし、その方々についてのイエス様の御心は明らか
それは、「あなたも行って、同じようにしなさい」

そこで、自戒を込めて、願う
導かれたら、出て行って同じようにしよう
まずは、来てくださったら、同じようにしよう
これまで共に歩んできた方には、同じようにしよう
道の反対側を通り過ぎることは、もう、やめよう

2000年前に語られたよきサマリヤ人のたとえが示すのは
隣人愛における対象の限定解除
民族を超えた真の隣人愛に歩めとの御心
2000年後の今、その語り掛けに応答したい
その御心に歩むことを願い、決断・実行したい
セクシャリティーを超えた隣人愛に生きることを